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研究内容NEWS&FAQ

アザ-Brook転位を活用したインドリン-3-オン及び2,3-ジヒドロ-4-キノロン合成

 アザ-Brook転位とは、塩基性条件下で炭素から窒素へシリル基が転位する反応である。この反応は、シリル基の転位によりアニオン中心が移動するため、様々な反応に用いることができる。
           
 これまでにアザ-Brook転位は数例しか報告されておらず、未だ十分な研究がなされている分野ではない。
 一方で、窒素を含む環状化合物は、天然物や医薬品などに良くみられ、インドリン-3-オンや2,3-ジヒドロ-4-キノロン骨格は抗がん、抗菌作用を有する化合物への応用が可能である。これらインドリン-3-オン及び2,3-ジヒドロ-4-キノロンは多くの合成例があるが、2位もしくは3位に置換基を有するインドリン-3-オン及び2,3-ジヒドロ-4-キノロンの合成は基質の制限等で困難である。
 当研究テーマでは、窒素上の芳香環にアルコキシカルボニル基を有するα-イミノエステルに対し、塩化ビストリメチルシリルアルミニウムを作用させることで、C-シリル化が進行した後に、1,2-aza-Brook転位が進行し、分子内環化したインドリン-3-オンが高収率で得られる事を見出している。
 一方、マロン酸ジエチル由来のα-イミノエステルに対し、トリメチルシリル酢酸エチルから調製されるリチウムエノラートを求核剤として用いることで、イミノ炭素上への付加が進行した後に、1,3-アザ-Brook転位が進行し環化することで、2,3-ジヒドロ-4-キノロンA及びインドリン-3-オンBが得られることも見出している。
 さらに詳細な検討を行い、様々な置換基Rを有する2,3-ジヒドロ-4-キノロンの合成に成功している。





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