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研究内容NEWS&FAQ


 医薬品から農薬、染料、化粧品、液晶まで、私達の暮らしを多様な領域で支えるファインケミカルズ。現代の生活は、これら多くのファインケミカルズを基盤とする有機化合物の上に成り立っています。私達の研究室では、人に優しいファインケミカルズの次代を見つめ、有機化学では難度の高いとされる様々な反応の開発や、環境に優しくかつシンプルな反応を活用して新薬や新たな生理活性化合物や機能性材料の開発に取り組んでいます。


 ファインケミカルズの骨格を形成する多くの原子は炭素原子であり、炭素原子は最大4個の原子が共有結合でき、それら4個の原子は炭素原子を中心とする正四面体の頂点に位置しています。このとき、4個の置換基全てが異なる場合、この炭素の鏡像同士は重ね合わせることはできません。この炭素のことをキラル炭素(不斉炭素)と呼びます。また、分子内に複数のキラル炭素がある場合は、各々のキラル炭素上で2つの配置(S体またはR体)をとります。従ってn個のキラル炭素があると2n通りの組み合わせがあることになります。  人に優しい有機材料はすべての原子が規則的に結びついた分子から成り立っています。特に医薬や農薬に利用されるような化合物は、その化合物が持っているいろいろな異性体の中で、たった1種の異性体のみが特に生物体になじみやすいといったことがよくあります。したがって医薬や農薬を合成する際は、目的の化合物の立体化学を確実に決めながら分子を構築することが必要不可欠です。私たちもこの概念に基づいて、「有機ものづくり」を行っています。医薬や農薬以外にも、たとえば液晶などの人工機能性物質も、1つの異性体のみを使うとその動作速度が早くなることが知られています。

      

 一方、ファインケミカルズの中でも窒素や酸素などの元素を含んだ多元素環状化合物(複素環化合物)は、医薬品や農薬、色素や光増感剤など、現代社会になくてはならない多くの物質の基盤となっています。しかし、多元素環状化合物の多様性・重要性が急速に増大するにつれて、これまでの合成法では解決できない問題点が数多く出てきています。今後より一層人に優しいファインケミカルズの発展を促すためには、多元素環状化合物の合成に関する研究を集中して行うことが必要です。このような現況をふまえて、私たちの研究室では、多元素環状化合物の革新的合成法や多段階合成戦略の開発も行っています。以下に最近の主な成果を具体的に紹介しています。

代表的な研究紹介

研究概要
・α-オキシムエステルを用いた極性転換反応
・アザ-Brook転位を活用したインドリン-3-オン及び2,3-ジヒドロ-4-キノロン合成
・生理活性化合物Artocarpinの全合成研究
・四ヨウ化チタンを用いた立体選択的新規炭素-炭素結合形成反応とその応用
・アルミ電解コンデンサの高機能化へ向けた新規二塩基酸の開発


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